第24回日本蛋白質科学会年会は、6月11日(火)から13日(木)、前日10日(月)に蛋白質工学研究会、蛋白質科学基礎講座、若手の会を札幌コンベンションセンターで開催、また、14日(金)、15日(土)に2024 Joint Conference – Korean Society for Protein Science (KSPS) & Protein Science Society of Japan (PSSJ) を北海道大学で開催いたしました。
開催期間中は、お天気にも恵まれ、第24回年会の参加数は983名、5年振りの懇親会も開催され、懇親会ではよさこい踊りで盛り上がり、年会は、大変盛会のうちに終了しました。これもひとえに会員、参加者、実行委員会、スタッフ、関係企業の皆様のご協力とご支援の賜物と心より御礼を申し上げます。
また、正会員総会は、第24回年会開催期間中の6月13日(木)に開催いたしました。事前に行われた代議員総会に基づき、正会員へ2023年度事業報告、決算、2024年度事業計画、予算の報告が行われました。その後、蛋白質科学会アーカイブについてアーカイブ編集委員長より説明とみなさまへ投稿のお願いがございました。
引き続いて、日本蛋白質科学会若手奨励賞、ポスター賞の表彰が行われました。
各賞の表彰は、蛋白質科学にかかわる若手研究者を奨励する事を目的とし、2008年度からポスター賞と若手奨励賞の表彰をしています。書類選考により若手奨励賞を選び、その受賞者の講演を審査することにより若手奨励賞優秀賞の受賞者を決定しています。
若手奨励賞には本年は33名の応募者があり、事前の書面審査により9名が受賞者として選考されました。奨励賞受賞者の皆さんには、大会2日目(6月12日)の午前中に開催された若手奨励賞シンポジウムにおいて、12分の講演と3分の質疑応答を英語で行っていただき、厳正な審査が行われました。その後、会長を審査委員長とする審査委員会において、4名の優秀賞受賞者を決定いたしました。
正会員総会の場で、下記の4名の若手奨励賞優秀賞受賞者が発表され、会長から表彰状が授与されました。若手奨励賞優秀賞受賞者には、副賞として記念の楯と来年のProtein Societyに参加するための渡航助成費用が贈られる予定です。
若手奨励賞優秀賞4名(発表番号順)
- 九川 真衣(東京大学)
Structural insights into allosteric activation/inactivation mechanism of FFA2 - 大貫 隼(分子科学研究所)
Integration of AlphaFold with molecular dynamics for uncovering conformational states of transporter proteins - 佐野 文哉(東京大学)
Molecular mechanisms of diverse chemokine recognition and downstream signaling selectivity of chemokine receptors - 元根 啓佑(ワシントン大学)
Multiplexed nanopore reading of single-molecule protein strands and post-translational modifications
若手奨励賞5名(発表番号順)
- 松林 英明(東北大学)
Non-catalytic role of phosphoinositide 3-kinase in cell migration through non-canonical induction of p85beta/AP2-mediated endocytosis - 柚 佳祐(神戸大学/台湾国立陽明交通大学)
Spatiotemporal formation of a single liquid-like condensate of α-synuclein by optical trapping - 伊藤 智之(東北大学)
Machine-learning-guided simultaneous molecular evolution for affinity, expression, and stability of antibody fragment - 藤原 孝彰(東北大学)
Structure analysis of diterpene cyclase CotB2 at ambient temperature - 大岡 紘治(東京大学)
Structure-based statistical mechanical models for predicting folding mechanisms of any protein
若手奨励賞に先立ち、ポスター賞受賞者の表彰が行われました。学生会員を対象とするポスター賞には207名の応募がありました。1分間のフラッシュトークとポスター発表の内容を基に、審査委員による厳正な採点が行われ、各分野から下記10名の受賞者を決定しました。受賞者の皆さんには、表彰状が授与されました。
ポスター賞10名(発表番号順)
- 石川 潤一郎(東京大学)
Structural and functional analysis of Retron - 小山 拓豊(京都大学)
ChemGLaM: Compound-Protein Interaction Prediction Using Large Language Models - 氏家 寛(東京大学)
Proposed design of agonist antibodies that induce OX40 clustering based on physicochemical analysis - 長尾 崇弘(東京大学)
Liquid-liquid phase separation through the IDR of an ER-resident protein PDZD8 induces ER-mitochondria contact sites - 倉持 円来(東北大学)
Elucidating the proinsulin quality control mechanism by PDI family - 南 未来(北海道大学)
Structural basis for inhibition of human STAT1 pathway by rabies virus using Cryo-EM - 野間井 智(北海道大学)
Structural insights into the ACE2-binding affinity of SARS-CoV-2 EG.5.1 spike protein harboring characteristic F456L mutation - 吉川 一歩(北海道大学)
The nature of disulfide isomers influences the fate of secretion in the yeast recombinant expression system - 山下 舞佳(慶應義塾大学)
Hydrophobization of a TIP60 protein nanocage for the encapsulation of hydrophobic fluorescent molecules and their characterization - 冨田 尚希(名古屋大学)
Creation of novel proteins with unique properties using deep learning and simulation
受賞者のみなさま、おめでとうございます!若手奨励賞、ポスター賞受賞者のコラムは、次号のニュースレターで発行いたします。お楽しみに!
次回2025年度の第25回年会(https://aeplan.jp/pssj2025/)は、2025年6月18日(水)~20日(金)までアクリエひめじ(兵庫県姫路市)〈年会長:井上豪・大阪大学〉で開催されます。関係の皆様の協力を得て、若手の会、蛋白質工学研究会、基礎講座についてもさらに充実させる予定です。たくさんのご参加をお待ちしております。