新会長あいさつ 大島泰郎
会長の任期を終えて 三浦謹一郎
平成16年度第1回理事会での審議事項
第1回環太平洋蛋白質科学国際会議を終えて
国際会議(第4回年会)参加者
平成17年度年会開催期間の変更について
環太平洋地区の Protein Society Council Member について
日本学会事務センターの預かり金流用問題について
日本蛋白質科学会ニュースレター Vol. 4, No. 3 (204) 発行日 2004年7月13日
新会長あいさつ 大島泰郎
本年度から2年間、日本蛋白質科学会の会長を務めることになりました。ここに本会の運営に関し、会員諸賢のご協力をお願いする次第です。
幸い日本蛋白質科学会は設立以来、順調な発展を遂げ、当初の予想を大幅に超える会員数を擁し、年会の参加者も増加の一途をたどっています。私の任務の第一は現在の隆盛を維持すること、すなわち三浦前会長の基本方針を踏襲することと理解しています。旧来の狭義の蛋白質科学にとどまらず周辺領域の研究者の掘り起こしや企業との関連強化、理事会など学会運営への若手の積極的な登用、男女共同参画への積極的な取り組み、日本学術会議や Protein Society との連携を重視するなどこれまでの学会の基本姿勢を守り、あるいはさらに強化する方針を理事会に諮りたいと思っています。
本学会が設立される前夜、学会設立の3大柱の一つであった特定研究「タンパク質立体構造の構築原理」の班会議の熱気を覚えている会員も多いことでしょう。本学会の年会には、その雰囲気が継承されていると思います。私が理事会に提案したい新企画は「構築原理」のような活力の源となる集会の種撒きとして、特定の専門領域に焦点を当てた時限の「部会」を設立し、学会がその活動の資金面をサポートしてはどうかというものです。取り上げる領域によっては、蛋白質科学の周辺の掘り起こしや若手の登用の具体的な施策となるでしょう。特定研究など大型の研究費申請の準備の会合として利用していただくことも一つの行き方かと思います。部会の提案については、近く具体的な案をたたき台として提案したいと思っていますので、会員からの意見をお寄せいただきたく存じます。特に具体的な課題・研究領域の提案をお待ちしています。
現在は国際会議を終えた安堵感で学会の運営に関しては怠けていますが、今後、本会の発展のために努力したいと思います。しかし、何よりの力は会員からの協力であります。ご助力をお願いいたします。
会長の任期を終えて 三浦謹一郎
2001年4月に発足した日本蛋白質科学会の初代会長として無事に任期を終えることができました。理事の方々と会員の皆様の御協力に感謝申し上げます。とくに、役職をお努めいただいた後藤祐児、有坂文雄、中村春木、桑島邦博、森川耿右の皆様にはお忙しい中を熱心に会務を遂行していただき、心から感謝を申し上げます。また、学会の中心行事である年会について第一回大阪の年会長を勤めていただきました月原富武、第二回名古屋の年会長の郷通子、第三回札幌の年会長の稲垣冬彦の各氏、そして初の環太平洋国際会議 PRICPS2004 を兼ねました横浜の第四回年会長を担当して短期間に極めて精力的に準備運営を進められました大島泰郎現会長ならびに本会と日本学術会議との連絡に関してきめこまかい配慮をして下さった郷信広学術会議会員の御尽力に深く感謝申し上げます。
時代の要請というか、蛋白質科学の研究活動を支えることを目的とした本学会の設立は時宜にかなったものと思って居りましたが、早くも会員数1000名の大台を越えました。そして会員の活動が極めて密度の高いものでありましたことは、この4月の国際会議の盛況を見ても感じられるところです。
国際会議のとき、最後のセッションで Concluding Remarks や懇談会の挨拶の中で Protein Society 前会長の Christopher M. Dobson 博士や構造生物学の推進者 Sung-Hou Kim 博士が「発表論文の内容、とくにポスターがこれまで他の学会で見たものと比べて極めて高いレベルのものが揃っていた」という称賛の言葉を述べられたことを大変嬉しく思いました。国際学会とは云え、日本蛋白質科学会第四回年会を兼ねていたため、日本からの参加が非常に多かったので、この称賛は日本の蛋白質科学の実績を受け止められたものと喜びたいと思います。また、国際会議を開いた意義も充分に果たせたということで御同慶の至りです。
蛋白質科学の研究は国のゲノムプロジェクトに続く「蛋白3000」プロジェクトや諸種の生命科学関係プロジェクトの中で補助されて本会員の多くが恩恵を受けていることと思いますが、蛋白質科学は基礎科学として重要な時期でもあり、今後も基礎的研究への支援が充分に得られるよう学会としても努力すべきであろうと思います。基礎科学の重要性を当局や国民一般にもっと理解してもらうように会員の皆様にもあらゆる機会を捉えて働きかけをしていただくことは本学会にとって大切なことと思います。
本学会立ち上げのときに本会の名称を「日本蛋白質科学会」ときめるに当たっては準備委員会で議論をしてあえて学術用語のタンパク質を用いずに蛋白質という漢字を用いることにしました。その方が、字数も少なく名称としてもすっきりして具合がよいと考えたからで、今でもそう思っています。たとえば阪大の蛋白研は外向けにはタンパク研やたんぱく研ではなくて「蛋白質研究所」になっています。しかし、一般に教科書を始め新聞などでも多くの場合「タンパク質」と表されています。これは「蛋」の字が当用漢字に入っていないためです。外来語は片仮名でそのまま表すのですから、それなら「プロテイン」と云った方がよいと思いますが、「蛋白質」という日本語は多分明治時代に学術用語としてドイツ語 Eiweiβ の日本語訳として「蛋白質」が定着したものと思います。「蛋白質」は学術用語だけでなく、主に栄養素の一つとして日常生活でも大変親しみのある言葉になっていると思います。戦後当用漢字というものが定められ、「タンパク質」が公用語になってそのままです。日本蛋白質科学会は蛋白質科学専門の学会ですから日本の社会に向かって「蛋白質」の漢字三文字の使用を一般化するように提唱してもよいでしょう。最近国語審議会は人名漢字については使用禁止の字をかなり復活しました。当用漢字の検討は人名だけでなく、時々は見直しが行われているようです。それで、私が会長任期中に理事会で諮って、その申請を準備するよう申し合わせていただきました。それでまず、栄養学の関係の方などに様子を聞くことから始めました。すると、栄養学の方などでもそういう意見もあるようですが、手続きが大変なのでそのままになっているそうです。本件の解決にはいろいろ面倒なことがあって、そう簡単には進められそうもなく、私の会長在任中に解決はできませんでしたが、引き続き手続きの方法を検討したいと考えて居ります。
最後に私ごとですが、この4月から私の主勤務先を変更いたしましたのでお知らせ致します。3年前に学習院大学理学部を定年で退き、有志と一緒にベンチャー会社「プロテイオス研究所」を東レ、メルシャン、ビストナー(杏林製薬のベンチャーキャピタル会社)の3社による出資のもとに設立し、私が社長となって居りましたが、こちらはこの6月末に社長を退いて非常勤の取締役となり、本務は私立の千葉工業大学総合研究所教授として勤めることになりました。再び大学で自由な立場で研究を続けられるので私には大変ありがたいことでした。今後も蛋白質合成機構の研究と同時に東大、学習院大時代に蛋白質の設計を目指してスタートしていた人工ポリペプチドの物性研究を更に発展させて行く所存であります。
どうぞ今後もよろしくお願いいたします。
平成16年度第1回理事会での審議事項
1-1. 新執行部の決定
会長と理事の半数、および科研費審査委員候補者選出のための選挙がメール投票により、平成16年2月13日から3月8日までの期間で実施されました。3月10日に開票され、この投票結果を基に4月14日に開催された第1回理事会で新執行部(案)が決定され、総会で承認されました。新会長には東京薬科大学科学部教授 大島 泰郎氏、副会長には大阪大学蛋白質研究所教授 阿久津 秀雄氏と長浜バイオ大学バイオサイエンス部教授 郷 通子氏、また新理事に下記◎印の方々が選出されました。
会長、副会長、理事と職掌
会長 | 大島 泰郎 | ◎ | 東京薬科大学生命科学部教授(第4回年会長・東京工業大学名誉教授) |
副会長 | 阿久津 秀雄 | ◎ | 大阪大学蛋白質研究所 |
副会長 | 郷 通子 | ◎ | 長浜バイオ大学バイオサイエンス学部教授 (第2回年会長・名古屋大学名誉教授) |
理事(庶務) | 有坂 文雄 | ○ | 東京工業大学大学院生命理工学研究科 |
理事 | 稲垣 冬彦 | ○ | 北海道大学大学院薬学研究科(第3回年会長) |
理事 | 宇高 恵子 | ◎ | 高知大学医学部 |
理事 | 北川 禎三 | ◎ | 岡崎国立共同研究機構統合バイオサイエンスセンター |
理事(会計) | 熊谷 泉 | ○ | 東北大学大学院工学研究科 |
理事 | 倉光 成紀 | ◎ | 大阪大学大学院理学研究科 |
理事(渉外) | 桑島 邦博 | ○ | 東京大学大学院理学系研究科 |
理事 | 郷 信広 | ○ | 日本原子力研究所計算科学推進センター(京都大学名誉教授) |
理事 | 後藤 祐児 | ◎ | 大阪大学蛋白質研究所 |
理事 | 今野 美智子 | ◎ | お茶の水女子大学理学部 |
理事 | 田口 英樹 | ◎ | 東京大学大学院新領域創成科学研究科 |
理事 | 田中 勲 | ◎ | 北海道大学大学院薬学研究科 |
理事 | 田中 啓二 | ◎ | 東京都臨床医学総合研究所(会長指名) |
理事 | 田之倉 優 | ○ | 東京大学大学院農学生命科学研究科 |
理事 | 中川 敦史 | ◎ | 大阪大学蛋白質研究所 |
理事(広報) | 中村 春木 | ◎ | 大阪大学蛋白質研究所 |
理事 | 三木 邦夫 | ◎ | 京都大学大学院理学研究科 |
理事 | 森川 耿右 | ○ | 生物分子工学研究所 |
理事 | 山縣 ゆり子 | ○ | 熊本大学大学院薬学研究科 |
理事 | 横山 茂之 | ◎ | 東京大学大学院理学系研究科(兼 理化学研究所) |
理事 | 吉田 賢右 | ◎ | 東京工業大学大学院生命理工学研究科 |
理事 | 三浦 謹一郎 | ◎ | 千葉工業大学総合研究所(東京大学・国立遺伝研名誉教授) |
(理事会メンバーは以上25名)
会計監査
会計監査 | 鏡 山 博 行 | 大阪医科大学医化学 |
〃 | 鈴 木 紘 一 | 東レ先端融合研究所(東京大学名誉教授) |
第5回年会長
三 原 勝 芳 | 九州大学大学院・医学研究院分子生命科学 |
役員の選定理由
副会長として、会長により阿久津、郷通子(現理事)が指名されました。阿久津氏を除いた選挙結果の上位より12名(中村、後藤、三木、吉田、倉光、今野、横山、田中勳、田口、宇高、北川、三浦)を理事に選出し、また、会長指名理事として、田中啓二氏が指名されました。郷通子氏が副会長に指名されたため、選挙結果が次点で年齢の若い中川敦史氏が繰り上げで理事となりました。この結果、理事会メンバーは25名となりました。会計監査には鏡山博行氏と鈴木紘一氏が会長により指名されました。
なお、平成15年2月の選挙で選出された○印(有坂、稲垣、熊谷、桑島、郷信広、田之倉、森川、山縣の計8名)の理事の任期は平成17年3月末日までの1年間。◎印の新役員の任期は、平成18年3月末日までです。
なお、科研費第一段審査委員候補者については、選挙の結果に基づき、また、「分野」、「現在、審査委員となっている方や、他の学会から推薦されている方との重複をできるだけ避けること」、「若手や女性を含めること」などを考慮して、以下の5名が生物物理研連の石渡委員長に推薦しました。
- 「ナノ・マイクロ科学分科ナノ材料・ナノバイオサイエンス細目」:三原久和(東京工業大学・助教授)
- 「ゲノム科学分科応用ゲノム科学細目」:木寺詔紀(横浜市立大学・教授)
- 「生物分子科学分科生物分子科学細目」:宇高恵子(高知大学・教授)
- 「生物科学分科機能生物化学細目」:熊谷泉(東北大学・教授)
- 「生物科学分科生物物理学細目」:深田はるみ(大阪府立・助教授)
1-2. 会員数
2004年4月1日現在 正会員1,230名(うち学生 301名)、賛助会員14社
2. 日本蛋白質科学会平成16年度予算
収入の部
科目 | 金額 | 内容 |
---|---|---|
年会費 | ||
正会員 | 2,640,000 | 880名×@3,000として |
正(学生)会員 | 390,000 | 260名×@1,500として |
賛助会員 | 950,000 | 17口×@50,000として |
雑収入 | 50,000 | |
収入合計 | 4,030,000 | |
前年度からの繰越金 | 9,897,570 | |
総 合 計 | 13,927,570 |
支出の部
科目 | 金額 | 内容 |
---|---|---|
(事業費) | ||
PRC 諸経費 | 250,000 | |
年会補助金 | 500,000 | 第4回年会 |
Newsletter 発行費 | 80,000 | Vol. 4 No. 3 と No. 4、プログラム |
学会協賛金 | 50,000 | |
(小計 880,000) | ||
(総務費) | ||
会合費・旅費 | 200,000 | 理事会等 |
理事選挙費 | 100,000 | |
通信費 | 200,000 | 会費の請求等 |
印刷・消耗品費 | 100,000 | コピー等 |
事務局業務委託費 | ||
会員管理業務 | 1,000,000 | |
会計業務 | 420,000 | |
窓口業務 | 126,000 | |
雑費 | 30,000 | |
予備費 | 54,000 | |
(小計 2,230,000) | ||
支出合計 | 3,110,000 | |
次年度への繰越金 | 10,817,570 | |
総合計 | 13,927,570 |
特別会計 男女共同参画活動費
収入の部
科目 金額 内容 | |
当期収入合計 0 | |
前年度繰越金 1,095,022 第2回年会より | |
総 合 計 1,095,022 | |
支出の部
| (事業費) |
| 会合・旅費 200,000 |
| 印刷・消耗品費 10,000 コピー等 |
| 支出合計 210,000 |
| 次年度への繰越金 885,022 |
| 総 合 計 1,095,022
|
3. 会費値上げとそれに伴う細則の改訂
現在、日本蛋白質科学会 細則で正会員の年会費が規定されていますが、会員の増加により、今後学会センターに依頼している会員関係業務が増加することが予想されます。また、現在のところ、財政は健全ではありますが、今後本学会の活動をさらに活発にしていくための資金を確保していくためには財政にゆとりが必要である等の点から、会費の値上げについて検討されてきました。今回、上記理事会でさらに検討した結果、値上げはやむを得ないとの結論に達しました。具体案について検討した結果、現在の正会員会費年額を平成17年度から、現在の3,000円から5,000円に引き上げることが理事会で提案・了解され、4月14日の総会で承認されました。なお、学生会費は据え置かれます。会費値上げに伴い、細則第2条は下記のように改訂されます。
第2条 会員は下記の会費を納めるものとする。
正会員 年額 5,000円。ただし学生は年額 1,500円。
賛助会員 年額1口以上。一口 50,000円。
第1回環太平洋蛋白質科学国際会議を終えて
アジアにおいて初めて開催された蛋白質科学に関する初の本格的な国際会議として、第1回環太平洋蛋白質科学国際会議が4月14日から17日まで4日間にわたりパシフィコ横浜において開催されました。会期中に Dobson 教授、長田教授、それに S.H. Kim 教授の特別講演、7のシンポジウム(サテライトシンポジウムを含む)、15のワークショップ、それにポスターセッションやランチョンセミナーなどからなるプログラムが予定通り開かれました。学術的には、現時点における蛋白質科学の最前線が提示されるという内容の濃い会議であったと思います。幸い好評を博し、招聘した講演者を含め約900名という参加者(うち招聘者は100名)を数え、盛況裡に終了しました。これもひとえに本学会会員諸賢のご協力によるもので、組織委員会を代表して心からの謝意を表明いたします。
この国際会議は、本学会が中心的な役割を果たし、本学会の理事全員がそのまま組織委員会を構成し、また本年度の年会を兼ねて行われましたが、同時に日本学術会議が本学会と共に主催者となり、さらに、Protein Society も共催者となって行われました。このため日本学術会議の黒川議長も Protein Society の C.R. Matthews 教授も開会式の席上挨拶をされました。ことに Protein Society との合同学会の開催は、旧日本蛋白工学会以来の長年にわたる悲願が実現したもので、当時会長を務められた池原先生、次田先生、千谷先生が種を播かれたものがやっと実ったものです。会議の初日に国内、国外諮問委員合同会議を開催し、次期の開催予定について協議しましたが、主催国となりたいという希望が重なりうれしい悲鳴を上げることになりました。協議の結果、次回は4年後(2008年)Simpson 教授を責任者として、オーストラリア・メルボルン地区において開催されることになりました。さらにその次は中国が開催を希望しています。2年毎では頻繁にすぎる感があり、また Protein Society が2年おきにヨーロッパにおいて合同学会を開催しているため、それとの重複を避けるため4年毎の開催が提案されています。今後、4年毎の開催とすると毎回オリンピック開催年と重なるので覚えやすいかも知れません。
国際会議の開催にはいろいろな意義が含まれていますが、その一つは開催国の当該分野の一層の振興を図ることがあります。特に今回は、本学会のみでなく極東アジア地域の蛋白質科学のより一層の振興を願って、関連各国・地域からの講演者の招聘を積極的に行い、また若手の参加者に参加費援助を行いました。日本蛋白質科学会にもよい刺激となり、国際会議の開催が国内の研究の飛躍的な進展に貢献することを願っています。先に「会議は成功裏に終えた」と述べましたが、これは会議の administration の立場からの表現で、academic な評価は今後の本学会の発展を見て評価することだと思っています。
重ねて、日本蛋白質科学会会員のご協力に感謝いたします。
大島 泰郎
国際会議(第4回年会)参加者
国内参加者:732名、国外参加者:178名
合計910名(うち招待講演者96名)
平成17年度年会開催期間の変更について
当初、平成17年度日本蛋白質科学会年会として予定しておりました会期と細胞生物学会(田中啓二会頭、大宮にて)の会期が、一日のずれで重なってしまうことが判明いたしました。会場である福岡国際会議場の予定等から、以下のように日程を変更することが理事会で承認されましたので、お知らせいたします。
- 会期
- 平成17年6月29日(水)準備日
- 6月30日(木)大会1日目
- 7月1日(金)大会2日目
- 7月2日(土)大会3日目
- 場所
- 福岡国際会議
環太平洋地区の Protein Society Council Member について
先の Protein Society 正会員による Council Member の選挙により、森川耿右氏の後任として東京大学大学院理学研究科の桑島邦博氏が選ばれました。任期は2年間。
日本学会事務センターの預かり金流用問題について
去る7月3日に「日本学会事務センター」が計約16億円に上る「預かり金」を事実上無断流用していた、という記事が新聞・TV に報道されました。
日本学会事務センターは文科省所管の財団で、東京と大阪に事務所を持ち、現在約270学会の会員業務(会費徴収、名簿管理など)や学術集会の開催などを受け持っています。日本蛋白質科学会も設立当初から会員業務を学会事務センターに委託しており、学会資産を学会センターに預けてきました。
今回の事件に関しては近日中に説明会等が予定されており、当面は事態の推移を見守ることになります。学会事務センター(光岡知足理事長)から蛋白質科学会に寄せられた「経緯のご説明とお願い」および「お詫び」を下記に掲載します。
経緯のご説明とお願い
昨年3月にセンターでは、関係会社の社長による横領事件、常務理事の暴行傷害事件という2件の不祥事を起こしました。これを契機として、センター理事会は管理運営の体制や運営方法の抜本的な見直しに取り組んで参りました。この取組みの中で、このたび大幅な累積赤字が明らかとなりました。また、センターの事業資金に多額の会費預り金が充てられていた実態が判明しました。こうした深刻な事態に陥ることを防げなかった原因は、これまでの決算報告が財務の状態を正確に表わすようには行われず、発見が遅れたことによります。センター理事会としては管理・監督の不行届きを衷心よりお詫びいたします。
センター理事会は、不祥事発生以降、即座に経営陣を一新し、諸改革に着手して、人件費をはじめ諸経費の大幅な削減を行うなどの改革に取り組んでおります。平成16年6月25日開催の理事会・評議員会において、平成15年度の赤字決算を承認し、同時に「経営健全化のための再建計画」を策定・承認し、財務改革に一層取り組むことといたしました。これまでの累積赤字を放置してきたこと、ならびに預り金の一部を流用してきたことへのお詫びと、再建計画へのご理解とご協力をいただくため、関係学協会にご説明にあがろうとしていた矢先でありました。
センターは、こうした事態を招いた旧経営陣の責任を厳しく追求するため、法的措置を講ずることといたします。
学会のみなさま、センターを信頼いただいております多くの方々に対して改めてお詫びいたします。また、センターはなにより、学会からの受託業務を引き続き堅実に行ってまいります。どうかセンターの再建への取組みに何卒ご支援を賜りますようお願いいたします。
なお、再建計画の骨子はホームページでご覧いただけます。
新聞報道のあった当センターの財務に関するご説明について
このたびは、学会預り金流用に関する新聞報道で、関係各位に対しては多大なご迷惑をお掛けいたし、ここに深くお詫びを申し上げます。
報道により学協会の皆様におかれましては、預け金のことでご心配の極みと拝察いたします。誠に申し訳ございません。報道にありました当センターの預り金の仕組みや、債務超過を克服するための再建計画などについては、詳しいご説明に赴きたく存じますので、お手数でもご都合をお知らせ頂ければ幸いです。
連絡先:総務部(TEL 03-5814-5819 FAX 03-5814-5847)
以上
会計担当理事 熊谷 泉
庶務担当理事 有坂 文雄