日本蛋白質科学会正会員総会は、2023年度年会開催期間中の7月7日（金）に名古屋国際会議場で開催されました。事前に行われた代議員総会に基づき、正会員へ2022年度事業報告、決算、2023年度事業計画、予算の報告を行いました。
正会員総会後、名誉会員証授与式が行われました。名誉会員は会長推薦で日本蛋白質科学会の発展にご尽力いただいた（当年度）70歳以上の会員から選出されます。今年度は、下記の4名の先生がご選出されました。
- 中村 春木 先生（大阪大学名誉教授）
- 三木 邦夫 先生（京都大学名誉教授）
- 山縣 ゆり子 先生（熊本大学名誉教授、尚絅大学・尚絅大学短期大学部 学長）
- 遠藤 斗志也 先生（京都産業大学教授）
名誉会員証授与式は中村春木先生、遠藤斗志也先生にご出席いただきました（三木邦夫先生、山縣ゆり子先生は、残念ながら所用でご欠席でした）。
名誉会員証授与式後、若手奨励賞、ポスター賞の表彰が行われました。日本蛋白質科学会の若手賞の表彰は、蛋白質科学にかかわる若手研究者を奨励する事を目的とし、2008年度からポスター賞と若手奨励賞の表彰をしています。書類選考により奨励賞を選び、その受賞者の講演を審査することにより奨励賞優秀賞の受賞者を決定しています。
若手奨励賞には本年は36名の応募者があり、事前の書面審査により10名が受賞者として選考されました。奨励賞受賞者の皆さんには、大会2日目（7月6日）の午前中に開催された若手奨励賞シンポジウムにおいて、12分の講演と3分の質疑応答を英語で行っていただき、厳正な審査が行われました。その後、会長を審査委員長とする審査委員会において、3名の優秀賞受賞者を決定いたしました。
正会員総会の場で、下記の3名の若手奨励賞優秀賞受賞者が発表され、会長から表彰状が授与されました。若手奨励賞優秀賞受賞者には、副賞として記念の楯と来年のProtein Society に参加するための渡航費が贈られる予定です。
若手奨励賞優秀賞3名（発表番号順）
- YSA-03 髙田 咲良（慶應義塾大学）
Turing pattern created in artificial cells using engineered reaction-diffusion proteins - YSA-06 小林 穂高（JST さきがけ）
In-cell single-molecule imaging of protein synthesis and its regulation - YSA-07 中島 吉太郎（大阪大学）
Research on risk factors for the onset of amyloidosis by ultrasonic amyloid inducer
若手奨励賞7名
- YSA-01 杉田 昌岳（東京工業大学）
Development and Application of a Protocol for Predicting Membrane Permeability of Cyclic Peptides Based on Molecular Dynamics Simulations - YSA-02 但馬 聖也（東京大学）
Structural basis for unique potassium selectivity mechanism by Kalium channelrhodopsins (KCR) - YSA-04 小菅 啓史（東京大学）
Characterization of modulation system of multi-specific interactions of PRELP with intrinsically weak affinity through ECM localization - YSA-05 宗 正智（奈良県立医科大学）
Amyloid formation of the β2-microglobulin variants, D76N and V28M: Diverse diseases via a common assembly mechanism - YSA-08 田中 達基（東京大学）
GPCR-like architecture in cryptophyte channelrhodopsin enables high light sensitivity - YSA-09 金村 進吾（関西学院大学）
Elucidating the enzymatic reductive unfolding mechanism of spike/envelope proteins to guide anti-virus activities - YSA-10 氷見山 幹基（産業技術総合研究所）
Structural regulation and rearrangement of ring-type peroxiredoxin protein assembly by chemical modification
ポスター賞12名
若手奨励賞に先立ち、ポスター賞受賞者の表彰が行われました（発表番号順）。
学生会員を対象とするポスター賞には173名の応募がありました。1分間のフラッシトークとポスター発表の内容を基に、審査委員による厳正な採点が行われ、各分野から上記12名の受賞者を決定しました。受賞者の皆さんには、表彰状が授与されました。
- 1P-016 菊地 杏美香（横浜市立大学）
- 1P-028 長畑 直人（東京大学）
- 1P-049 村田 裕斗（名古屋大学）
- 1P-065 宮崎 友輝（名古屋工業大学）
- 1P-090 武井 梓穂（北海道大学）
- 2P-011 福永 彩美（東京大学）
- 2P-029 片岡 万知華（理化学研究所）
- 2P-064 杉浦 雅大（名古屋工業大学）
- 2P-068 池田 刀麻（東京工業大学）
- 2P-087 今浦 稜太（広島大学）
- 2P-115 住川 太一（東京大学）
- 2P-117 佐藤 那音（東京大学）
各賞受賞者のコラムは、次号のニュースレターで発行いたします。お楽しみに！
次回の年会（2024年度）は、2024年6月11日～13日まで札幌コンベンションセンター（年会長：前仲勝実・北海道大学）で開催されます。関係の皆様の協力を得て、若手の会、蛋白工学研究会、基礎講座についてもさらに充実させる予定です。たくさんのご参加をお待ちしております。