一般社団法人日本蛋白質科学会

日本蛋白質科学会は蛋白質に関する科学研究を推進します

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ホーム 日本蛋白質科学会ニュースレター Vol. 16 No. 7

第16回日本蛋白質科学会年会若手奨励賞受賞者コラム

日本蛋白質科学会ニュースレター Vol. 16, No. 7 (2016) 発行日 2016年8月1日

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本年度第16回年会における若手奨励賞受賞者の方から原稿をいただきましたのでここにお知らせします(演題番号順)。

日本蛋白質科学会 役員会

2SA-02 奥村 正樹(東北大学)

奥村 正樹(東北大学)

この度は、日本蛋白質科学会若手奨励賞を頂き、大変光栄に存じます。今回開催された福岡の地は、かれこれ4年前に私が当時九州大学・稲葉謙次先生の研究室の門を叩き、熊本大学の小椋研の野井博士と議論し今回の研究内容をスタートさせた場所であり、このような場で発表でき大変うれしく思います。

小胞体は分泌タンパク質や膜タンパク質が新たに合成されフォールディングを受ける場であり、タンパク質の恒常性が維持されています。小胞体で合成されるタンパク質の約1/3はジスルフィド結合の形成を伴うフォールディングを受けると言われており、基質には生物学的にも医学的にも重要な免疫グロブリンやインスリンなどが知られています。現在ではバクテリアからヒトまでほとんどすべての生物においてジスルフィド結合形成の触媒システムが存在し、近年小胞体において20種類以上もの Protein Disulfide Isomerase(PDI)ファミリー酵素が存在することが分かっております。したがって、PDI ファミリー酵素は複雑かつ巧妙に機能分担していると想定されますが、50年以上もの歴史のある PDI でさえ、未だどのように基質を認識し、基質フォールディングを手助けしているのか詳細は明らかでありません。そこで、高速 AFM による PDI の1分子動態解析を試みた結果、酸化還元状態および基質の結合に依存した PDI の構造制御機構を明らかにしました。興味深いことに、数種のアンフォールド基質存在下において、PDI は単量体と二量体あるいはそれ以上の会合体の形成と解離を繰り返しており、PDI 会合体が形成する空洞の疎水的かつジスルフィド交換反応性に富む環境において、効率的に多種多様な基質のフォールディングが促進されることを示唆する結果を得ました。今後は個々の PDI ファミリー酵素の触媒機構を明らかにすることで、当該分野の発展に寄与していきたいと考えています。

最後に、稲葉教授、金村君をはじめとする稲葉研究室の皆様、共同研究先である熊本大学発生医学研究所の小椋教授、野井博士および分子研の秋山教授、SPring8 の引間博士、そして当会を通じて議論をさせていただきました多くの先生方に、この場を借りて御礼申し上げます。

2SA-04 志甫谷 渉(名古屋大学)

志甫谷 渉(名古屋大学)

このたびは若手奨励賞を頂き、大変光栄に思っております。

本研究の対象であるエンドセリン受容体 B 型(ETBR)とは、21アミノ酸からなるペプチドホルモン ET-1 によって活性化される GPCR です。ET-1 は2つの分子内ジスルフィド結合と短い α-helix を含んだ非常に複雑な構造をとっており、どのように ETBR に結合し活性化させるのか、長年の謎でした。さらに、ET-1 と ETBR は SDS 存在下でも解離しない安定な複合体を形成することが知られており、他の GPCR-リガンド間にはない特徴です。本研究は、X 線結晶構造解析によってヒト由来 ETBR の ET-1 結合型および非結合型の2状態の構造を決定しました。ET-1 結合型の構造では、ETBR の36残基のアミノ酸が ET-1 と相互作用しており、細胞外第2ループの β シートと N 末端が ET-1 上部で蓋を形成することによって ET-1 の解離を防いでいました。2状態の構造比較から、ET-1 結合に伴う細胞外半分の TM6-7 の4 Å のポケット内部への動きが受容体の活性化に重要であることを明らかにしました。エンドセリン受容体は創薬標的としても重要であり、その拮抗阻害剤は肺高血圧の治療薬として使われています。そのため、本研究で得られた構造活性相関情報は、エンドセリン受容体を標的とした薬剤の開発に役立つと考えています。

2SA-06 小林 直也(信州大学)

小林 直也(信州大学)

この度は、日本蛋白質科学会若手奨励賞を頂き、大変光栄に思っております。

本研究では、タンパク質分子をナノスケールのブロックと見立て、少数のシンプルな基本タンパク質ナノブロックを開発し、それらを組み合わせることで、多様な超分子ナノ構造複合体を創り出すことをコンセプトとしました。

私は、タンパク質ナノブロックの共通モジュールとして二量体人工タンパク質 WA20 に着目しました。WA20 は、2012年に私が所属する研究室で立体構造を解明したタンパク質であり、安定かつ特異的に二量体形成することを私自身の実験により明らかにしていました。また、WA20 は、シンプルな設計原理からなるアミノ酸配列ライブラリーから獲得された人工タンパク質であり、自然界に由来するタンパク質に比べて再設計や再配列ライブラリー化が容易であると考えられたことから、タンパク質ナノブロックのモジュールとして利用すれば、今後の展開が期待できると考えました。

今回受賞した研究では、この WA20 をタンパク質ナノブロックの共通モジュールとして用いることで、多面体型構造や鎖状構造を自己組織的に構築する人工タンパク質ナノブロックを作製し、それぞれの人工タンパク質ナノブロックから自己組織的に超分子ナノ構造複合体の形成が可能であることを確認しました。

今後は、モジュールとした人工タンパク質の再設計を通して、新たなタンパク質ナノブロックを開発し、それらを自在に組み合わせることで、さらに複雑で高度なナノ構造複合体の創出やナノ構造体形成の制御、機能デザインを目指していきたいと考えています。

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編集責任者:
池口 満徳(横浜市立大学生命医科学研究科)
萩原 義久(産業技術総合研究所)
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