日本蛋白質科学会の若手賞の表彰は、蛋白質科学にかかわる若手研究者を奨励する事を目的とし、2008年度からポスター賞と若手奨励賞の表彰をしています。今年度より、書類選考により奨励賞を選び、その受賞者の講演を審査することにより奨励賞優秀賞の受賞者を決定する事といたしました。
平成27年6月24〜26日にあわぎんホールにおいて開催された第15回日本蛋白質科学会年会(辻明彦年会長)の受賞者のお名前と授賞式の模様をお伝えします。
若手奨励賞優秀賞3名
- 題目:フェムト秒 X 線レーザーを用いた光化学系II複合体の1.95 Å分解能での無損傷結晶構造解析
2SA-1 菅 倫寛(岡山大・理) - 題目:脱窒にみられる効率的な一酸化窒素分解システムの構造基盤
2SA-5 當舎 武彦(理研・SPring-8) - 題目:Asymmetric and cooperative recognition of histone post-translational modification by two antigen-binding sites of an antibody
2SA-6 服部 峰充(University of Chicago)
若手奨励賞6名
- 題目:新規フラグメント抗体フォーマット“Fv-clasp”のデザインとその構造解析
2SA-2 有森 貴夫(阪大・蛋白研) - 題目:自然免疫系一本鎖 RNA 受容体 TLR8 の構造基盤
2SA-3 丹治 裕美(東大・院薬) - 題目:マイクロ流体フローを用いた一酸化窒素還元酵素の触媒反応の動的分光観察
2SA-4 木村 哲就(理研) - 題目:ヒトゲノム一塩基変異のタンパク質間相互作用面上での分布
2SA-7 西 羽美(東北大・院情報科学) - 題目:網羅解析より見出された翻訳アレストの普遍性とその生理学的意義
2SA-8 茶谷 悠平(東工大・生命理工) - 題目:分子動力学シミュレーションによるタンパク質 folding の Transition Path Time の網羅的解析
2SA-9 伊藤 真志保(京大・理)
若手奨励賞には本年は34名の応募者があり、事前の書面審査により9名が受賞者として選考されました。奨励賞受賞者の皆さんには、6月25日の午前中に開催された若手奨励賞シンポジウムにおいて、15分の招待講演を行っていただき、厳正な会場審査が行われました。その後、会長を審査委員長とする審査委員会において、優秀賞受賞者を決定いたしました。
若手奨励賞の発表および表彰式は、年会2日目の懇親会会場にて行われました。多くの懇親会参加者が見守る中、上記の3名の若手奨励賞優秀賞受賞者が発表され、会長から表彰状が授与されました。また副賞として記念楯と Protein Society に参加するための往復の渡航費(航空運賃)が贈られる予定です。
ポスター賞10名
若手奨励賞の表彰に先立ち、ポスター賞受賞者の発表が行われました(ポスター番号順)。
- 1P-003 李 勇燦(東大・理・生物)
- 1P-007 津久井 秀(京大院・農・森林)
- 1P-075 大山 克明(立命館大・生命科学)
- 1P-088 工藤 翔太(東大院・工)
- 1P-101 佐藤 大輔(創大・工・生命情報)
- 2P-019 谷口 怜哉(東大・理・生科)
- 2P-043 阪野 美紗(東工大・バイオセンター)
- 2P-096 杉山 在生人(東北大・工・バイオ工)
- 2P-110 高橋 愛実(北大・薬)
- 2P-114 雨宮 舜(熊大・院・薬)
学生会員を対象とするポスター賞には151名の応募がありました。応募者全員による1分間のフラッシュトークと、ポスター会場での発表の双方を基に、審査委員による厳正な採点が行われ、各分野から上記10名の受賞者を決定しました。受賞者の皆さんには、表彰状が授与されました。