大島泰郎

本年度から2年間、日本蛋白質科学会の会長を務めることになりました。ここに本会の運営に関し、会員諸賢のご協力をお願いする次第です。

幸い日本蛋白質科学会は設立以来、順調な発展を遂げ、当初の予想を大幅に超える会員数を擁し、年会の参加者も増加の一途をたどっています。私の任務の第一は現在の隆盛を維持すること、すなわち三浦前会長の基本方針を踏襲することと理解しています。旧来の狭義の蛋白質科学にとどまらず周辺領域の研究者の掘り起こしや企業との関連強化、理事会など学会運営への若手の積極的な登用、男女共同参画への積極的な取り組み、日本学術会議や Protein Society との連携を重視するなどこれまでの学会の基本姿勢を守り、あるいはさらに強化する方針を理事会に諮りたいと思っています。

本学会が設立される前夜、学会設立の3大柱の一つであった特定研究「タンパク質立体構造の構築原理」の班会議の熱気を覚えている会員も多いことでしょう。本学会の年会には、その雰囲気が継承されていると思います。私が理事会に提案したい新企画は「構築原理」のような活力の源となる集会の種撒きとして、特定の専門領域に焦点を当てた時限の「部会」を設立し、学会がその活動の資金面をサポートしてはどうかというものです。取り上げる領域によっては、蛋白質科学の周辺の掘り起こしや若手の登用の具体的な施策となるでしょう。特定研究など大型の研究費申請の準備の会合として利用していただくことも一つの行き方かと思います。部会の提案については、近く具体的な案をたたき台として提案したいと思っていますので、会員からの意見をお寄せいただきたく存じます。特に具体的な課題・研究領域の提案をお待ちしています。

現在は国際会議を終えた安堵感で学会の運営に関しては怠けていますが、今後、本会の発展のために努力したいと思います。しかし、何よりの力は会員からの協力であります。ご助力をお願いいたします。