三浦 謹一郎
会長選挙の結果、私を初代会長に選出していただきました。微力でありますが、任期の間会長を務めさせていただきたく存じますので、会の運営に御協力下さいますようよろしくお願いいたします。
蛋白質科学はこの一世紀の間に発展を遂げて参りました。前世紀の後半には遺伝子科学が急速な発展を遂げ、2000年に至ってヒトのゲノムの全塩基配列が一応読みとられるという、宇宙科学における月への有人ロケット到達のような人類の歴史的事業が達成されました。そして生物科学における次の期待は生物を動かしている蛋白質の構造と機能を中心に研究を進める蛋白質科学にかかって居ります。科学技術立国を目指す国の施策でも生命科学の分野で特に蛋白質科学の推進に力を入れようという事態でもあります。
このような時期に蛋白質科学に携わる研究者が研究を進めるための諸問題解決のために新しい学会を発足させたことはまことに時宜に適ったことであると思います。皆様のご協力によって本学会が会員相互の利益に役立つばかりでなく、社会に貢献できるようにしたいと存じます。
2001年10月