奥村 正樹(東北大学)、齋尾 智英(徳島大学)、Young-Ho Lee(李 映昊:Korea Basic Science Institute)
2024年6月14日(金)から15日(土)、北海道大学薬学部にて2024 Joint Conference – Korean Society for Protein Science (KSPS) & Protein Science Society of Japan (PSSJ)第一回目(蛋白研セミナー共催)を開催しました。本年度からはじまった本試みには、日本・韓国で国際的に第一線で活躍されている各6名の先生方にご講演いただいただけでなく、日韓のPI、アカデミア及び会社の研究員、大学院生の方も参加いただき、当初の予想をはるかに上回る約200名程度に参加いただき、非常に熱気と活力あふれる交流会となりました。The Protein Society(TPS)のPresidentであるElizabeth Meiering先生(University of Waterloo, Canada)にも終始ご参加いただき、国際的にも本会への関心の高さが垣間見えました。
本会は今回日本側がホストとなっていましたので、北海道大学の石森浩一郎先生と北海道大学の前仲勝実先生のスピーチで開会されました。Korea Basic Science InstituteのYoung-Ho Lee先生の本会の背景と内容に関するイントロダクションがあり、日本・韓国で活躍される研究者から蛋白質の最前線のご講演をいただきました。クライオ電顕研究としてJae-Sung Woo先生(Korea University)と稲葉謙次先生(九州大学)、核磁気共鳴研究としてJung Ho Lee先生(Seoul National University)と齋尾智英先生(徳島大学)、物性・フォールディング・創薬研究として、内山進先生(大阪大学)、Young Jun Im先生(Chonnam National University)、田口英樹先生(東京工業大学)、Jiyeon Han先生(University of Seoul)、質量分析・ケミカルバイオロジー研究としてHyeonwoo Kim先生(Korea Advanced Institute of Science and Technology)、佐藤伸一先生(東北大学)、Hyun Joo An先生(Chungnam National University)、明石知子先生(横浜市立大学)に、ご講演いただきました。Matthias Wolf先生(Okinawa Institute of Science and Technology)とEric Fung Chen先生(Thermo Fisher Scientific)のThermo Fisher Scientificランチョンセミナーもあり、クライオ電顕の背景から最新研究までの内容がご紹介されました。
各先生方は、蛋白質科学内における各専門分野で第一線で活躍されておられる方で最新の知見をご紹介いただけ、白熱した活発な議論や意見交換が行われました。また、QIAGEN、Refeyen、CELLKEY、Thermo Fisher Scientificの日本・韓国の企業ブースも設け、講演会の間のCoffee Break等で、アカデミアと企業間での情報交換もありました。
BanquetではKorean Society for Protein ScienceのPresident Kyung-Jin Kim先生(Kyungpook National University)から乾杯スピーチがあり、日韓同時通訳で皆さんを楽しませていただきました。TPSのElizabeth Meiering先生からもご挨拶があり、日韓の蛋白質科学の交流の重要性と何より参加者の皆さんが楽しんでいる雰囲気が良いというスピーチをいただきました。Banquetでは札幌の非常に心地よい気候の中、ジンギスカンを行い、日韓の学生・教員らが協力して食材を焼きながら、日韓親睦を深めつつ活発な交流が繰り広げられており、二次会も多くの方が参加したと聞いています。
翌15日は、午前中北海道大学のクライオ電子顕微鏡と核磁気共鳴分光学のコアファシリティの視察を行いました。クライオ電顕に関しては、日本と韓国のThermo Fisher Scientificの技術の方々に細かく説明してもらい、また核磁気共鳴分光学に関しては、北海道大学の久米田博之先生と相沢智康先生のご協力でコアファシリティを説明いただきました。各位に関してはこの場を借りて御礼申し上げます。
午後からは、Flash Talkがあり、皆さん時間が少ない中で簡潔に要点を説明しながらも、どの発表も非常に質の高い内容でした。Best AwardにはYunseok Heo博士(Korea Basic Science Institute)、渡部マイさん(東北大学)、Excellent Awardには熊代宗弘さん(徳島大学)、後藤楓さん(東北大学)、花岡杏美さん(北海道大学)、岡田梨櫻さん(大阪大学)、野間井智さん(北海道大学)、Seong-Eun Parkさん(Konkuk University)、Yoon-Hyeok Kangさん(Korea Institute of Ocean Science and Technology)、Lin Chenさん(Chonnam National University)、Yaejin Yun博士(Konkuk University / Korea Basic Science Institute)が選ばれ、朴三用先生(横浜市立大学)から賞状と景品を授与されました。おめでとうございます!
Closing Remarksとして、中川敦史先生(大阪大学蛋白質研究所)から、本会に参加した方の多くがエンジョイし意義深いJoint Conferenceであったとの閉会挨拶がありました。実行委員含めかかわった関係者の多くが、今後も継続した交流会の開催し、文化だけでなくアカデミアにおいても日韓の蛋白質科学の交流の機会を提供したいと考えています。
本交流会では北大前仲研の喜多先生、学生さん、秘書さん、徳島大齋尾研の松﨑先生、川越先生、学生さん、東北大奥村研の金村先生、学生さん、Korea Basic Science Institute Lee研のYuxi Lin博士とメンバーが運営を務めました。特にこのような場を設けてくださった年会長の北海道大学の前仲勝実先生、共に運営を務めてくださった皆様、蛋白研セミナーとして協力してくださった大阪大学の中川敦史先生、またスポンサーとしてQIAGEN、Refeyen、CELLKEY、Thermo Fisher Scientific、そして何より参加してくださった皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。